気づきと発見のある読書会を主催〈TOO TO〉運営メンバーにインタビュー

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「人や価値観との新たな出会いを楽しむためのスペース」として読書会や対話の場づくりを行う〈TOO TO〉。デザイン・編集・PRを軸に3人で運営をされているということで、活動内容をはじめ、読書や本との関わり方についてインタビューをさせていただきました。

photo by Kenji Chiga

-どういった活動を行っているのですか?

丸:人や価値観との新たな出会いを楽しむためのスペースとして、読書会をはじめ、いろんなかたちでものごとを共有・対話する場づくりをしています。TOO TOは「Too good to keep it to yourself」の略で、「自分の中にしまっておくには良すぎること」という意味です。

-立ち上げの経緯を教えてください。

太田:読んで面白いと思った本のことを誰かにシェアする機会が欲しかったので、読書会に参加してみたいと思いネットで調べてみたのですが、全く知らないコミュニティに入るのも敷居が高いし、友だちも誘いにくいなと感じていたんです。それで2020年の夏頃、私と宍戸さんの2人で川沿いを散歩しながら、「読書会に参加してみたいんだけど、どれに参加したらいいかわからないんだよね」と話したことがきっかけで「それなら自分たちでやってみる?」と話が進み始まりました。

宍戸:TOO TOの名前はカレーを食べながら決めたんだよね笑。去年の10月に、代々木公園を会場にピクニック形式で開催した初めての第0回読書会は太田さんと2人で主催しました。

 
 
 
 
 
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丸:私は、12月に開催された第1回の参加者の一人で、終了後に太田さんから手伝って欲しいと声をかけてもらって加入しました。第2回から携わっています。

 
 
 
 
 
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-3人の役割分担はどのようになっていますか?

太田:基本的にデザインは私、編集は宍戸さん、SNS運用は丸さんと、本業での経験を活かした役回りになることが多いですが、読書会ではテーマとなる本(またはセレクター)を選んだメンバーがメインで動いています。

丸:Instagramの運用は主に私が担当していますが、私が考えたテキストを宍戸さんがアップするなど、発信等は随時分担して行っていますね。

宍戸:次回読書会のDMや参加者名簿の管理、終了後のアンケートの回収など事務的な作業は私がメインで担当しています。3人のバランスを見ながら作業を分担している感じです。

-なるほど。各々に得意分野がある、かつ知人関係だからこそ、3人で上手く役割分担して活動できているのですね。TOO TOの読書会はどのような様子ですか?

丸:読書会は2カ月に1度の頻度で、最大10名程度の小規模で開催しています。毎回テーマとなる1冊の本を起点に、本の感想や個人的な経験、世の中の動きに対する違和感など幅広く語り合います。世代や職業を問わず、さまざまな人が参加してくれていますね。

宍戸:参加者の感想としては「普段手に取らない本を読むきっかけになる」「自分の考えを人に伝えることで、バラバラだった考えが線でつながった」「ちょうどいいゆるさだと思った」などが寄せられています。「ゆるさ」もTOO TOの大事にしたいことの1つです。読書会って博識な人たちが集まって真面目な会話をする場のイメージがあるけど、主催するTOO TOも参加者もフラットな関係で、いごこちよく感じてもらえたらと思っています。

太田:初回のピクニック形式の時は、公園に集まってオープンなカタチで開催もしました。今はオンラインがメインですが、またタイミングをみて対面でもやりたいですね。

photo by Kenji Chiga

-参加したい場合は、テーマの本をしっかり読み込まないとですよね?

丸:全部読み込んでいなくても、前半だけや気になった部分についてだけ読んでくるのでも大丈夫です。読書のスピードは人によって違うし、読書会は仕事ではないので笑 ただ本のボリュームはセレクトするTOO TO側で意識しなきゃと思っています。比較的ページ数の少ない『コンビニ人間』がテーマだった第1回は、全体に関する感想や意見が集まり、多数のエッセイがつまった『普通をだれも教えてくれない』がテーマだった第3回は、いくつかの切り口から話が広がって。どちらにも良さがあるので、見極めながらセレクトしたいと思います。

-読書会でテーマとなる本はどうやって選んでいるのですか?

太田:基本的には3人の最近の興味関心から本を1冊セレクトしていますが、『ギリシャ語の時間』のようにセレクターを他に立てることもあります。誰が選ぶかというよりは、「どうしてそれが選ばれたか」という理由やその価値観の共有を大切にしています。なので本の話から派生して、「普通ってなんだろう?」「言語に縛られて生きているのでは?」「ロゴを全面に押し出した服を着るってどんな気持ちだろう?」など、新しいテーマが浮かび上がってくることもあります。事前に3人でこんな話ができたらいいねと話はしますが、当日の参加者の言葉を拾いながら話が展開していくので、自分たちでも予想してなかった流れになるのも面白いです。実際私たちが一番楽しんでいるのかも。

-今後の活動について教えてください。

丸:読書会は2ヶ月に1度のペースで今後も続けていきたいと思います。その他には5月からメールマガジンを新しく始めました!読書会と同じく3人の最近の興味関心をメイントピック1本、コラム2本の形式で担当を変えながら執筆しています。ポッドキャストなど音声メディアもやってみたいですが、こちらから発信するだけでなく、TOO TOに集まる人の活動を応援したり相互にやりとりできる場を増やしたいと思っているので、3人の本業とのバランスを考えながら無理なくできる活動を模索中です。

📩〈メールマガジン〉VOL.1 変身のための読書

-3人にとって「読書」はどのようなものですか?

太田:私は人文書や新書を読むことが多いので、読書=「学ぶ」という意味合いが強いです。勉強して自分が認知できるチャンネルを増やしていくために本を読んでいます。ライフワークとしての作品作りのためでもあるので、そこにどうアウトプットできるのかというのはずっと課題ですね。

宍戸:読書をする理由はその時々で変わりますが、1つは「新しいことを取り入れていないことに対する不安を解消するため」です。常に何かを吸収していないと不安になるので、読書は勉強している感を得やすく、安定剤的な一面があったりします。現代人ならではな感覚ですよね。もう1つは「単に美しい文章表現や、皮肉やユーモアのある文章が好き」だからです。心に刺さる1文に出会うとメモに残したりしています。

丸:私にとっては「本を読んでいる人」になれて、楽になるもの。例えばカフェでコーヒーを飲んでいて、ぼーっとしていると手持ち無沙汰になるし、どこか周りの目を気にしてしまうけれど、本を読んでいれば守られる、そんな感覚があります。現実逃避に使うことも多いです。忙しいときほど漫画一気読みしちゃうし。いつもパラレルワールドを本の中に持っていたいと思っています。

photo by Kenji Chiga

-オススメの本との出会い方はありますか?

太田:信頼している知人からのリコメンドや、面白かった本や好きな著者の本で参考文献として紹介されていた本を読むことが多いです。本屋だと、近所のくまざわ書店の品揃えが良いと気付いてからよく行きますね。

宍戸:良い本との出会い方はむしろ教えて欲しいくらいで、基本的には話題になっている本や誰かに聞いた本などを読んでいます。あとは図書館に行くと流行りや売れ筋に関わらず、良い本が紹介されているコーナーがあったりするので参考にしています。買うときはネットや駅の本屋などを利用します。

丸:出会い方はなんでもいいと思うのですが、最近この本の話よく聞くな〜とか、なんか装丁がひっかかるんだよな〜という感覚を大切にしています。自分の興味を超えた本との出会いはそういうところにあると思います。あとはとにかく本屋に行って、生で本に触れて出会うのが一番ですね。

-参加を検討している方に一言あればお願いします。

宍戸:本を読まない方、普段漫画しか読まないという方にもぜひ読書会に参加してほしいと思っています。読書会では、自分の中で漠然とこうなんじゃないかなと思っていることをシェアしたり、周りの意見を聞くことで新しい発見があります。ハードルが高いと感じる方は、まずはメルマガに登録していただくだけでも!それぞれの好きな形でTOO TOに関わっていただけたらうれしいです。

-ありがとうございました!


TOO TO
Too good to keep it to yourself(TOO TO)=自分の中にしまっておくには良すぎること
人や価値観との新たな出会いを楽しむためのスペースとして、読書会をはじめ、いろんなかたちでものごとを共有・対話しています。

HP:https://too-to.tumblr.com/
Instagram:@__too_to__ 


メンバー

太田明日香

1995年生まれ。フリーランスデザイナー。TOO TOではデザインと全体ディレクションを担当。
Instagram:@askota

宍戸 南

広告・書籍の編集制作に携わる。TOO TOの運営全般をサポート。
Instagram:@minami_ssd

丸 美月

1996年生まれ。本屋の広報。TOO TOのPR担当。
Instagram:@mtkmal

 

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